対称式の変換アルゴリズムとその多変量統計量分布論への応用

多変量統計量の分布を求める問題は古くからの研究テーマである.しかし,その分布関数あるいは密度関数を正確に表す(そのまま数値計算が可能な)式が求められることは特殊な場合のみで,しばしば(Edgeworth型の)漸近展開の形で求めざるを得ない.しかし,高次のEdgeworth展開を実際に求めるためには,高次モーメントおよびキュムラントが必要であり,その導出に要する莫大な量の代数的計算が障害となる.特定の問題に限れば,数式処理の利用により,この障害は乗り越えられているが,より一般的な分布に対し適用できる方法が望まれている.著者らは,観測値に関する対称性に着目し,対称式の基底変換によるモーメント導出ア...

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Veröffentlicht in:計算機統計学 Jg. 4; H. 1; S. 35 - 43
Hauptverfasser: 中川, 重和, 仁木, 直人
Format: Journal Article
Sprache:Japanisch
Veröffentlicht: 日本計算機統計学会 1991
Japanese Society of Computational Statistics
Schlagworte:
ISSN:0914-8930, 2189-9789
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:多変量統計量の分布を求める問題は古くからの研究テーマである.しかし,その分布関数あるいは密度関数を正確に表す(そのまま数値計算が可能な)式が求められることは特殊な場合のみで,しばしば(Edgeworth型の)漸近展開の形で求めざるを得ない.しかし,高次のEdgeworth展開を実際に求めるためには,高次モーメントおよびキュムラントが必要であり,その導出に要する莫大な量の代数的計算が障害となる.特定の問題に限れば,数式処理の利用により,この障害は乗り越えられているが,より一般的な分布に対し適用できる方法が望まれている.著者らは,観測値に関する対称性に着目し,対称式の基底変換によるモーメント導出アルゴルズムを提案し,多くの有用な多変量統計量を含むある統計量の族に対して適用可能な導出方式を開発した.本報告は,現在までの著者らの研究成果を概観し,今後の発展に資するためのものである.
ISSN:0914-8930
2189-9789
DOI:10.20551/jscswabun.4.1_35