文の記憶再生における述語動詞の動作化の効果

本研究は,述語動詞の意味を動作で表すことによる文の記憶再生効果を検証した.情報は言語システムと非言語システムに分けて表象されるという二重符号化理論では,2つのシステムが稼動すれば加算的効果により記憶再生が高まると仮定される.従来の研究では,非言語的手がかりとして主に視覚イメージを使い,単語や動詞句レベルを対象として検証実験が行われてきた.本研究は,アメリカ手話をモデルにした動作を手がかりとして,単純な動作を表す行為動詞だけでなく,統語的にも意味的にも異質な属性を持つ状態動詞を述語とする文の再生を実験した.次に,コーパス資料をもとに,使用頻度が高くて具体的な動作や状態を表す動詞と,使用頻度が低く...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本教育工学会論文誌 Jg. 30; H. 1; S. 29 - 36
1. Verfasser: 川村, 義治
Format: Journal Article
Sprache:Japanisch
Veröffentlicht: 日本教育工学会 2006
Schlagworte:
ISSN:1349-8290, 2189-6453
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究は,述語動詞の意味を動作で表すことによる文の記憶再生効果を検証した.情報は言語システムと非言語システムに分けて表象されるという二重符号化理論では,2つのシステムが稼動すれば加算的効果により記憶再生が高まると仮定される.従来の研究では,非言語的手がかりとして主に視覚イメージを使い,単語や動詞句レベルを対象として検証実験が行われてきた.本研究は,アメリカ手話をモデルにした動作を手がかりとして,単純な動作を表す行為動詞だけでなく,統語的にも意味的にも異質な属性を持つ状態動詞を述語とする文の再生を実験した.次に,コーパス資料をもとに,使用頻度が高くて具体的な動作や状態を表す動詞と,使用頻度が低くて意味が抽象的な動詞を述語とする文の再生を実験した.その結果,述語動作の属性や使用頻度に関わらず,動作は広範囲な内容の文の記憶再生を高める手がかりとなることが示唆された.
ISSN:1349-8290
2189-6453
DOI:10.15077/jjet.KJ00004964109